映画『平場の月』感想・解説(ネタバレなし)|静かな再会が、人生を少し動かす

映画『平場の月』のイメージ。雪の札幌の夜道で、背中合わせに立つ男女のシルエットを満月が静かに照らす幻想的なビジュアル。 エンタメ

静かで、切なくて、どこか懐かしい──。

映画『平場の月』は、堺雅人さんと井川遥さんがW主演で描く“大人の再会ラブストーリー”。
原作は、第32回坪田譲治文学賞を受賞した朝倉かすみの同名小説。
監督は『いま、会いにゆきます』『花束みたいな恋をした』などで知られる土井裕泰

学生時代の淡い初恋を胸にしまい込んだまま、人生の半ばで再び出会った男女。
それぞれの時間を生き抜いてきたふたりが、もう一度「恋」に出会う姿を、
穏やかで静謐なトーンで描いた珠玉のヒューマンドラマです。

『平場の月』は、派手さを抑えた静かな会話劇です。再会から少しずつ距離が変わる過程を丁寧に描きます。本記事はネタバレなしで、見どころと感想を簡潔にまとめます。


作品概要とあらすじ

作品概要

項目内容
タイトル平場の月
公開日2025年11月14日(金)
監督土井裕泰
脚本向井康介
音楽出羽良彰
原作朝倉かすみ『平場の月』(光文社文庫)
主演堺雅人、井川遥
主題歌星野源「いきどまり」
配給東宝

あらすじ(ネタバレなし)

青砥健将(堺雅人)は離婚後に地元へ戻り、印刷会社で働き始めます。
一方、須藤葉子(井川遥)は夫と死別し、地元で暮らしています。
再会した2人は、会話と沈黙を重ねながら距離を縮め、離れていた時間を少しずつ埋めていきます。
説明は最小限で、生活の手触りと感情の揺れを丁寧に追います。

雪の舞う札幌の喫茶店前。窓越しに温かな光が漏れ、外には再会を予感させる二人の足跡が残る情景。

キャストと役どころ

  • 青砥健将:堺雅人 … 感情を大きく見せず、日常の所作で心の揺れを表現します。
  • 須藤葉子:井川遥 … 自立とためらいの両方を保ちながら、再会に向き合います。
  • 共演:坂元愛登/一色香澄/中村ゆり/でんでん/安藤玉恵/椿鬼奴/栁俊太郎/倉悠貴/吉瀬美智子/宇野祥平/成田凌/塩見三省/大森南朋 ほか。

見どころ

  • 演技の“間”が効きます:台詞を抑え、視線と沈黙で心の揺れを見せます。
  • “見せない”演出です:説明を控え、光と音で感情を誘導します。
  • ラストの納得感があります:種明かし後に「なぜ信じたか」が残り、余韻が続きます。

主題歌と音楽

主題歌は星野源「いきどまり」です。エンドロールで感情をやわらかく着地させるタイプの楽曲です。
劇伴は出羽良彰が担当し、静かな場面の緊張と余韻を丁寧に支えます。


こんな人に合います

  • 静かな会話劇や、余韻が残るヒューマンドラマが好きな方。
  • セリフよりも“間”や視線で語る演出を好む方。

FAQ(よくある質問)

Q. 原作を読んでいなくても楽しめますか?
→ はい。映画だけで理解できます。原作を読むと心情の行間がより分かります。

Q. どんな人に向いていますか?
→ 静かな会話劇や、余韻が残るヒューマンドラマが好きな方です。

Q. ラブストーリー要素は強いですか?
→ 恋愛“だけ”ではなく、人生の選択や距離感を見せる大人向けの物語です。

雪に包まれた札幌の夕暮れ。街灯が灯る道を、男女のシルエットが別々の方向へ歩き出す静かなラストシーンを思わせる情景。

まとめ:静かな光の中で見つける、もう一度の“はじまり”

大きな出来事は少ないのに、見終わると自分の時間を少し見直したくなります。
「静かな再会が、確かに心を動かす」──そんなタイプの一本です。


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本記事は2025年10月時点で公表されている情報をもとに執筆しています。キャスト・公開日・配信状況などは変更となる場合があります。最新情報は公式サイトや公式SNSをご確認ください。

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